大建中湯 100

大建中湯だいけんちゅうとう【100】

🌿 この漢方を一言で言うと

お腹が冷えて、強い腹痛や張りがあり、腸の動きに伴う不快感が気になるときに適した漢方です。

🧭 推奨される証

太陰病期の虚証

📖 解説

冷えと虚弱傾向を伴う腹部症状に適しています。
この処方を考える目安として、体力虚弱で、腹が冷えて痛むという体質・状態に、腹痛、お腹の冷え、腹部膨満、腸の動きに伴う不快感などの症状が組み合わさっていることが挙げられます。
漢方では、同じ症状があっても、体力や体質、症状の組み合わせ、経過などによって適する方剤が変わります。そのため、病名や症状名だけで決めるのではなく、その人のからだ全体の状態を合わせて考えることが大切です。
特に「腹痛」「お腹の冷え」「腹部膨満」「腸の動きに伴う不快感」など、いくつかの症状が重なっているかどうかを確認すると、この処方が自分の状態に近いか考えやすくなります。

🌱 この処方の特徴

大建中湯は、山椒、人参、乾姜、膠飴の4つの生薬から構成される漢方処方です。一般用漢方製剤の承認基準では、体力虚弱で、腹が冷えて痛む場合の下腹部痛や腹部膨満感が対象とされています。お腹の冷えと痛み、張りが組み合わさっていることが、この処方を考える一つの目安です。

🧩 方剤構成からみた特徴

大建中湯は、山椒・乾姜のように温める方向に働く生薬と、人参・膠飴を組み合わせた処方です。山椒や乾姜は腹部の冷えや痛みを考える際に用いられ、人参は体力が落ちている状態を支える生薬として、膠飴は処方全体を補う目的で配合されています。4つの生薬を組み合わせ、冷えを伴う腹痛や腹部膨満感を考える処方として位置づけられます。

📖 古典での位置づけ

出典として「金匱要略」が記録されている処方です。古典では処方を症状や体質などと組み合わせて考える枠組みの中で用いられてきました。現代では、製品としての使用にあたっては、該当する承認・添付文書等の情報を確認することが大切です。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025では、「大建中湯」を処方名として扱った記載があります。対象として記載されている例には、便失禁、腹痛・腹部膨満感、便秘症があります。記載の中にはエビデンスの強さ・推奨度が示されているものもあります(例:C:質の低いエビデ ンス (low)/弱)。ただし、推奨やエビデンスの強さは対象となる病態やガイドラインによって異なるため、「KCPGに記載がある」ことだけで、この処方がすべての症状に有効と判断することはできません。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

大建中湯を使うときは、用法・用量と使用上の注意を確認してください。医療用添付文書では、まれに間質性肺炎や肝機能障害・黄疸などの重い副作用が報告されています。咳、息苦しさ、発熱、強いだるさ、皮膚や白目が黄色くなるなど、気になる症状が現れた場合は、服用を続けず医療機関に相談してください。医師の治療を受けている方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談しましょう。他の漢方薬を併用する場合も、生薬の重複などを確認してください。

主な注意ポイント:特定生薬の重点注意なし(一般的な使用上の注意を確認)

こんな症状に適しています

お腹の冷え/腹痛/下腹部痛/お腹の張り

出典

金匱要略

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

山椒 1-2、人参 2-3、乾姜 3-5、膠飴 20-64

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力虚弱で、腹が冷えて痛むものの次の諸症: 下腹部痛、腹部膨満感

色・におい・味

色
淡灰白色
におい
特異なにおい
味
甘くて辛い
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。