竹筎温胆湯 91

竹筎温胆湯ちくじょうんたんとう【91】

🌿 この漢方を一言で言うと

かぜや感染症のあとに、せきや痰が残り、なかなかすっきりしないときに適した漢方です。

🧭 推奨される証

少陽病期の虚実間証

📖 解説

長引く呼吸器症状に、胃の不調や不眠などが重なる場合に適しています。
この処方を考える目安として、体力中等度という体質・状態に、かぜの後の長引くせき、痰、食欲不振、不眠などの症状が組み合わさっていることが挙げられます。
漢方では、同じ症状があっても、体力や体質、症状の組み合わせ、経過などによって適する方剤が変わります。そのため、病名や症状名だけで決めるのではなく、その人のからだ全体の状態を合わせて考えることが大切です。
特に「かぜの後の長引くせき」「痰」「食欲不振」「不眠」など、いくつかの症状が重なっているかどうかを確認すると、この処方が自分の状態に近いか考えやすくなります。

🌱 この処方の特徴

一般用漢方製剤の承認基準では、「体力中等度のものの次の諸症: かぜ、インフルエンザ、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、 また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきやたんが多く て安眠が出来ないもの」が効能・効果として示されています。

🧩 方剤構成からみた特徴

竹筎温胆湯は、柴胡、竹茹、茯苓、麦門冬、陳皮、枳実、黄連、甘草、半夏、香附子、生姜、桔梗、人参の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、柴胡(解熱・疏肝・消炎などを目的に用いられる)、竹茹(清熱・鎮静・鎮吐などを目的に用いられる)、茯苓(利尿・鎮静などを目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

『万病回春』に収載・由来する処方として位置づけられる。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025の表では、「竹筎温胆湯」を処方名として扱った記載を確認できませんでした。これは有効性が否定されたことを意味するものではありません。研究や診療ガイドラインの対象となる病態、証、研究方法によって得られる情報は異なるため、特定の症状に対するエビデンスを確認する場合は、該当する診療ガイドラインや学術論文を個別に確認することが大切です。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

この処方を使うときは、まず添付文書の用法・用量と使用上の注意を確認してください。特に、次のようなポイントは知っておくと安心です。

【甘草を含む処方】
甘草を含む漢方薬を長く使ったり、甘草を含む漢方薬をいくつも重ねたりすると、低カリウム血症を伴う偽アルドステロン症が起こることがあります。むくみ、血圧の上昇、体重増加、手足のだるさ、筋力低下、足がつるなどの変化があれば、服用を続ける前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

【附子を含む処方】
附子を含む漢方薬は、体を温める方向の処方などに用いられますが、用法・用量を守って使うことが大切です。服用中に、舌や手足のしびれ、動悸、吐き気など、いつもと違う症状が現れた場合は、服用を続けず医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

また、他の漢方薬や生薬を一緒に使っている場合は、同じ生薬が重なっていないか確認しましょう。治療中の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、自己判断で使い続けず、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。症状が続く場合や、いつもと違う症状が現れた場合も相談しましょう。

主な注意ポイント:甘草 / 附子

こんな症状に適しています

かぜの後の長引くせき/痰/食欲不振/不眠

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

柴胡 3-6、竹茹 3、茯苓 3、麦門冬 3-4、陳皮 2-3、枳実 1-3、黄 連 1-4.5、甘草 1、半夏 3-5、香附子 2-2.5、生姜 1、桔梗 2-3、 人参 1-2

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力中等度のものの次の諸症: かぜ、インフルエンザ、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、 また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきやたんが多く て安眠が出来ないもの

色・におい・味

色
黄褐色
におい
特異なにおい
味
渋い
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。