六味丸 87

六味丸ろくみがん【87】

🌿 この漢方を一言で言うと

体力の低下に加えて、腰や足腰のだるさ、ほてり、排尿の不調などが気になるときに適した漢方です。

🧭 推奨される証

太陰病期の虚証

📖 解説

体の内側の水分や陰液が不足したような状態に適しています。
この処方を考える目安として、体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてり、口渇があるという体質・状態に、腰や足腰のだるさ、ほてり、排尿の不調、体力低下などの症状が組み合わさっていることが挙げられます。
漢方では、同じ症状があっても、体力や体質、症状の組み合わせ、経過などによって適する方剤が変わります。そのため、病名や症状名だけで決めるのではなく、その人のからだ全体の状態を合わせて考えることが大切です。
特に「腰や足腰のだるさ」「ほてり」「排尿の不調」「体力低下」など、いくつかの症状が重なっているかどうかを確認すると、この処方が自分の状態に近いか考えやすくなります。

🌱 この処方の特徴

一般用漢方製剤の承認基準では、「体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに 手足のほてり、口渇があるものの次の諸症: 排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、かゆみ、夜尿症、しびれ」が効能・効果として示されています。

🧩 方剤構成からみた特徴

六味丸は、地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、地黄(滋養・補血などを目的に用いられる)、山茱萸(補益・強壮・止汗・止尿などを目的に用いられる)、山薬(滋養・強壮・止瀉などを目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

『小児薬証直訣』に記載される処方。後世には六味丸・六味地黄丸などの名称で用いられている。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025では、「六味丸」を処方名として扱った記載があります。対象として記載されている例には、老人性皮膚そう痒症があります。ただし、推奨やエビデンスの強さは対象となる病態やガイドラインによって異なるため、「KCPGに記載がある」ことだけで、この処方がすべての症状に有効と判断することはできません。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

漢方薬も医薬品です。用法・用量を守り、説明書に記載された使用上の注意を確認して使いましょう。医師の治療を受けている方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談することをおすすめします。症状が続く場合や、服用後に気になる変化が現れた場合は、自己判断で長く使い続けず相談しましょう。

主な注意ポイント:特定生薬の重点注意なし(一般的な使用上の注意を確認)

こんな症状に適しています

腰や足腰のだるさ/ほてり/排尿の不調/体力低下

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

地黄 5-6、4-8、山茱萸 3、3-4、山薬 3、3-4、沢瀉 3、3、茯苓 3、3、牡丹皮 3、3 (左側の数字は湯、右側は散)

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力中等度以下で、疲れやすくて尿量減少又は多尿で、ときに 手足のほてり、口渇があるものの次の諸症: 排尿困難、残尿感、頻尿、むくみ、かゆみ、夜尿症、しびれ

色・におい・味

色
灰褐色
におい
特異なにおい
味
わずかに酸味があって苦い
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。