葛根湯加川芎辛夷 2

葛根湯加川芎辛夷かっこんとうかせんきゅうしんい【2】

🌿 この漢方を一言で言うと

葛根湯を使うようなかぜの初期の症状に加えて、鼻づまりが強いときに適した漢方です。

🧭 推奨される証

太陽病期の実証

📖 解説

頭が重い感じや肩・首のこりなどを伴い、鼻が通りにくい場合に適しています。鼻づまりの原因によっては別の治療が必要になるため、症状が長引くときは受診も大切です。
この処方を考える目安として、比較的体力があるという体質・状態に、かぜの初期、鼻づまり、頭が重い、肩・首のこりなどの症状が組み合わさっていることが挙げられます。
漢方では、同じ症状があっても、体力や体質、症状の組み合わせ、経過などによって適する方剤が変わります。そのため、病名や症状名だけで決めるのではなく、その人のからだ全体の状態を合わせて考えることが大切です。
特に「かぜの初期」「鼻づまり」「頭が重い」「肩・首のこり」など、いくつかの症状が重なっているかどうかを確認すると、この処方が自分の状態に近いか考えやすくなります。

🌱 この処方の特徴

葛根湯を使うようなかぜの初期の症状に加えて、鼻づまりが強いときに適した漢方です。 体質や症状の組み合わせを踏まえて、処方全体として考えることが大切です。

🧩 方剤構成からみた特徴

葛根湯加川芎辛夷は、葛根、麻黄、大棗、桂皮、芍薬、甘草、生姜、川芎、辛夷の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、葛根(発汗・解熱・鎮痛などを目的に配合される)、麻黄(発汗・鎮咳などを目的に用いられる)、大棗(補養・緩和などを目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

出典として「日本経験方」が記録されている処方です。古典では処方を症状や体質などと組み合わせて考える枠組みの中で用いられてきました。現代では、製品としての使用にあたっては、該当する承認・添付文書等の情報を確認することが大切です。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025の表では、「葛根湯加川芎辛夷」を処方名として扱った記載を確認できませんでした。これは有効性が否定されたことを意味するものではありません。研究や診療ガイドラインの対象となる病態、証、研究方法によって得られる情報は異なるため、特定の症状に対するエビデンスを確認する場合は、該当する診療ガイドラインや学術論文を個別に確認することが大切です。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

この処方を使うときは、まず添付文書の用法・用量と使用上の注意を確認してください。特に、次のようなポイントは知っておくと安心です。

【甘草を含む処方】
甘草を含む漢方薬を長く使ったり、甘草を含む漢方薬をいくつも重ねたりすると、低カリウム血症を伴う偽アルドステロン症が起こることがあります。むくみ、血圧の上昇、体重増加、手足のだるさ、筋力低下、足がつるなどの変化があれば、服用を続ける前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

【麻黄を含む処方】
麻黄を含む漢方薬では、体質や体調によって動悸、発汗、不眠、精神的な興奮などが気になることがあります。高血圧、心臓病、甲状腺機能亢進症、排尿に関する病気などがある場合や、交感神経を刺激する薬などを使っている場合は、服用前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

また、他の漢方薬や生薬を一緒に使っている場合は、同じ生薬が重なっていないか確認しましょう。治療中の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、自己判断で使い続けず、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。症状が続く場合や、いつもと違う症状が現れた場合も相談しましょう。

主な注意ポイント:甘草 / 麻黄

こんな症状に適しています

かぜの初期/鼻づまり/頭が重い/肩・首のこり

出典

日本経験方

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

葛根 4-8、麻黄 3-4、大棗 3-4、桂皮 2-3、芍薬 2-3、甘草 2、 生姜 1-1.5、川芎 2-3、辛夷 2-3

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

比較的体力があるものの次の諸症: 鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎

色・におい・味

色
淡褐色
におい
特異なにおい
味
辛い
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。