葛根湯 1

葛根湯かっこんとう【1】

🌿 この漢方を一言で言うと

寒気がして、まだ汗が出ていない、かぜのひき始めに考えられる代表的な漢方です。

🧭 推奨される証

太陽病実証

📖 解説

葛根湯は、かぜのひき始めで、ぞくぞくする寒気があり、まだ汗をかいていないときに考えられる漢方です。頭痛や発熱に加えて、首や肩のこり、筋肉痛などを伴うこともあります。

「かぜをひいたら葛根湯」というイメージがありますが、かぜなら誰でも葛根湯、というわけではありません。漢方では、寒気があるか、汗が出ているか、体力はどの程度か、肩や首のこりなどを伴っているかといった、いくつかの特徴を組み合わせて考えます。

葛根湯を考えるときには、「かぜの初期」という経過に加えて、「寒気がある」「まだ汗が出ていない」「肩や首がこる」といった特徴がそろっているかを見ることが大切です。

🔎 この漢方を考えるポイント

  • 🌿 かぜのひき始め
  • 🌿 寒気がする
  • 🌿 まだ汗をかいていない
  • 🌿 頭痛がある
  • 🌿 首や肩がこる
  • 🌿 筋肉痛がある
  • 🌿 比較的体力がある

🌱 この処方の特徴

寒気がして、まだ汗が出ていない、かぜのひき始めに考えられる代表的な漢方です。 一般用漢方製剤の承認基準では、「体力中等度以上のものの次の諸症: 感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、 肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み」が効能・効果として示されています。

🧩 方剤構成からみた特徴

葛根湯は、葛根、麻黄、大棗、桂皮、芍薬、甘草、生姜の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、葛根(発汗・解熱・鎮痛などを目的に配合される)、麻黄(発汗・鎮咳などを目的に用いられる)、大棗(補養・緩和などを目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

出典として「傷寒論」が記録されている処方です。古典では処方を症状や体質などと組み合わせて考える枠組みの中で用いられてきました。現代では、製品としての使用にあたっては、該当する承認・添付文書等の情報を確認することが大切です。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025では、「葛根湯」を処方名として扱った記載があります。対象として記載されている例には、慢性緊張型頭痛、インフルエンザ、 感冒、鼻アレルギー (含花粉症)があります。ただし、推奨やエビデンスの強さは対象となる病態やガイドラインによって異なるため、「KCPGに記載がある」ことだけで、この処方がすべての症状に有効と判断することはできません。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

この処方を使うときは、まず添付文書の用法・用量と使用上の注意を確認してください。特に、次のようなポイントは知っておくと安心です。

【甘草を含む処方】
甘草を含む漢方薬を長く使ったり、甘草を含む漢方薬をいくつも重ねたりすると、低カリウム血症を伴う偽アルドステロン症が起こることがあります。むくみ、血圧の上昇、体重増加、手足のだるさ、筋力低下、足がつるなどの変化があれば、服用を続ける前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

【麻黄を含む処方】
麻黄を含む漢方薬では、体質や体調によって動悸、発汗、不眠、精神的な興奮などが気になることがあります。高血圧、心臓病、甲状腺機能亢進症、排尿に関する病気などがある場合や、交感神経を刺激する薬などを使っている場合は、服用前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

また、他の漢方薬や生薬を一緒に使っている場合は、同じ生薬が重なっていないか確認しましょう。治療中の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、自己判断で使い続けず、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。症状が続く場合や、いつもと違う症状が現れた場合も相談しましょう。

主な注意ポイント:甘草 / 麻黄

こんな症状に適しています

かぜのひき始め/寒気/発熱/頭痛/肩や首のこり/汗が出ていない

出典

傷寒論

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

葛根 4-8、麻黄 3-4、大棗 3-4、桂皮 2-3、芍薬 2-3、甘草 2、 生姜 1-1.5

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力中等度以上のものの次の諸症: 感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、 肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み

色・におい・味

色
淡褐色
におい
特異なにおい
味
辛い
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。