桂枝人参湯 82

桂枝人参湯けいしにんじんとう【82】

🌿 この漢方を一言で言うと

冷えや胃腸の弱さがあり、頭痛や発熱などのかぜ症状も一緒に気になるときに適した漢方です。

🧭 推奨される証

太陰病期の虚証

📖 解説

体力があまり強くなく、胃腸症状と表の症状が重なっている場合に適しています。
この処方を考える目安として、体力虚弱で、胃腸が弱く、ときに発熱・悪寒を伴うという体質・状態に、冷え、胃腸虚弱、頭痛、発熱などの症状が組み合わさっていることが挙げられます。
漢方では、同じ症状があっても、体力や体質、症状の組み合わせ、経過などによって適する方剤が変わります。そのため、病名や症状名だけで決めるのではなく、その人のからだ全体の状態を合わせて考えることが大切です。
特に「冷え」「胃腸虚弱」「頭痛」「発熱」など、いくつかの症状が重なっているかどうかを確認すると、この処方が自分の状態に近いか考えやすくなります。

🌱 この処方の特徴

冷えや胃腸の弱さがあり、頭痛や発熱などのかぜ症状も一緒に気になるときに適した漢方です。 体質や症状の組み合わせを踏まえて、処方全体として考えることが大切です。

🧩 方剤構成からみた特徴

桂枝人参湯は、桂皮、甘草、人参、乾姜、白朮の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、桂皮(発汗・解熱、芳香性健胃、駆風などを目的として用いられる生薬。漢方では感冒、身体疼痛、腹痛などを含む多くの処方に配合される。)、甘草(緩和・止痛などを目的に幅広く配合される)、人参(補気・強壮などを目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

『傷寒論』に収載・由来する処方として位置づけられる。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025では、「桂枝人参湯」を処方名として扱った記載があります。対象として記載されている例には、慢性頭痛があります。ただし、推奨やエビデンスの強さは対象となる病態やガイドラインによって異なるため、「KCPGに記載がある」ことだけで、この処方がすべての症状に有効と判断することはできません。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

この処方を使うときは、まず添付文書の用法・用量と使用上の注意を確認してください。特に、次のようなポイントは知っておくと安心です。

【甘草を含む処方】
甘草を含む漢方薬を長く使ったり、甘草を含む漢方薬をいくつも重ねたりすると、低カリウム血症を伴う偽アルドステロン症が起こることがあります。むくみ、血圧の上昇、体重増加、手足のだるさ、筋力低下、足がつるなどの変化があれば、服用を続ける前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

また、他の漢方薬や生薬を一緒に使っている場合は、同じ生薬が重なっていないか確認しましょう。治療中の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、自己判断で使い続けず、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。症状が続く場合や、いつもと違う症状が現れた場合も相談しましょう。

主な注意ポイント:甘草

こんな症状に適しています

冷え/胃腸虚弱/頭痛/発熱/かぜ症状

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

桂皮 4、甘草 3-4、人参 3、乾姜 2-3、白朮 3(蒼朮も可)

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力虚弱で、胃腸が弱く、ときに発熱・悪寒を伴うものの次の 諸症: 頭痛、動悸、慢性胃腸炎、胃腸虚弱、下痢、消化器症状を伴う 感冒

色・におい・味

色
淡褐色
におい
特異なにおい
味
わずかに甘くて辛い
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。