加味逍遙散 24

加味逍遙散かみしょうようさん【24】

🌿 この漢方を一言で言うと

疲れやすく肩がこる、冷えやのぼせがある、イライラや精神的な不安も気になる、といった女性の不調に考えられる漢方です。

📖 解説

加味逍遙散は、疲れやすく、肩がこり、冷えを感じる一方で、のぼせやイライラ、精神的な不安なども気になるときに考えられる漢方です。月経不順や月経困難、更年期障害、不眠症、神経症などにも用いられます。

女性の不調は一つの症状だけではなく、月経周期や更年期などの時期によって、冷え、のぼせ、肩こり、疲れやすさ、気分の変化など、さまざまな症状が重なって現れることがあります。

そのため、「更年期だから加味逍遙散」という単純な選び方ではありません。体力の状態や冷え・のぼせ、肩こり、疲れやすさ、精神的な不安やイライラなど、その人に現れている特徴を組み合わせて考えます。

🔎 この漢方を考えるポイント

  • 🌿 疲れやすい
  • 🌿 肩がこる
  • 🌿 冷えを感じる
  • 🌿 のぼせる
  • 🌿 イライラする
  • 🌿 精神的な不安がある
  • 🌿 月経不順や月経困難がある
  • 🌿 更年期の不調がある
  • 🌿 便秘傾向がある

🌱 この処方の特徴

疲れやすく肩がこる、冷えやのぼせがある、イライラや精神的な不安も気になる、といった女性の不調に考えられる漢方です。 一般用漢方製剤の承認基準では、「体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、 精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向の あるものの次の諸症: 冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道 症、不眠症 《備考》 血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性 のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精 神神経症状および身体症状のことである。」が効能・効果として示されています。

🧩 方剤構成からみた特徴

加味逍遙散は、当帰、芍薬、白朮、茯苓、柴胡、牡丹皮、山梔子、甘草、生姜、薄荷葉の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、当帰(補血・調経などを目的に用いられる)、芍薬(鎮痛・鎮痙などを目的に用いられる)、白朮(健胃・強壮・利尿などを目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

出典として「和剤局方」が記録されている処方です。古典では処方を症状や体質などと組み合わせて考える枠組みの中で用いられてきました。現代では、製品としての使用にあたっては、該当する承認・添付文書等の情報を確認することが大切です。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025では、「加味逍遙散」を処方名として扱った記載があります。対象として記載されている例には、FD、月経前不快気分障害 (PMDD)、更年期障害があります。記載の中にはエビデンスの強さ・推奨度が示されているものもあります(例:4) ランダム化さ れていない対照比 較試験や症例集積 報告 (わが国で 利用可能な薬剤の み)/D: 最も推奨度の 低い治療法)。ただし、推奨やエビデンスの強さは対象となる病態やガイドラインによって異なるため、「KCPGに記載がある」ことだけで、この処方がすべての症状に有効と判断することはできません。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

この処方を使うときは、まず添付文書の用法・用量と使用上の注意を確認してください。特に、次のようなポイントは知っておくと安心です。

【甘草を含む処方】
甘草を含む漢方薬を長く使ったり、甘草を含む漢方薬をいくつも重ねたりすると、低カリウム血症を伴う偽アルドステロン症が起こることがあります。むくみ、血圧の上昇、体重増加、手足のだるさ、筋力低下、足がつるなどの変化があれば、服用を続ける前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

【山梔子を含む処方】
山梔子を含む漢方薬を長期間使用すると、まれに腸間膜静脈硬化症(腸管静脈硬化症)が起こることがあります。特に長期使用で知られており、腹痛、下痢、便秘、腹部の張りなどが繰り返す場合は、単なる胃腸の不調と考えて飲み続けず、服用している漢方薬を伝えて医師などに相談しましょう。

また、他の漢方薬や生薬を一緒に使っている場合は、同じ生薬が重なっていないか確認しましょう。治療中の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、自己判断で使い続けず、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。症状が続く場合や、いつもと違う症状が現れた場合も相談しましょう。

主な注意ポイント:甘草 / 山梔子

こんな症状に適しています

疲れやすい/冷え/のぼせ/イライラ/月経に伴う不調

出典

和剤局方

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

当帰 3、芍薬 3、白朮 3(蒼朮も可)、茯苓 3、柴胡 3、牡丹皮 2、 山梔子 2、甘草 1.5-2、生姜 1、薄荷葉 1

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、 精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向の あるものの次の諸症: 冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道 症、不眠症
《備考》 血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性 のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精 神神経症状および身体症状のことである。

色・におい・味

色
黄褐色
におい
特異なにおい
味
僅かに苦い
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。