三黄瀉心湯 113

三黄瀉心湯さんおうしゃしんとう【113】

🌿 この漢方を一言で言うと

のぼせや顔のほてりがあり、便秘なども気になるときに適した漢方です。

🧭 推奨される証

虚実間証~実証・熱証

📖 解説

比較的体力があり、熱感の強い状態に適しています。
この処方を考える目安として、体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向などのあるという体質・状態に、のぼせ、顔のほてり、便秘、イライラ・不安などの症状が組み合わさっていることが挙げられます。
漢方では、同じ症状があっても、体力や体質、症状の組み合わせ、経過などによって適する方剤が変わります。そのため、病名や症状名だけで決めるのではなく、その人のからだ全体の状態を合わせて考えることが大切です。
特に「のぼせ」「顔のほてり」「便秘」「イライラ・不安」など、いくつかの症状が重なっているかどうかを確認すると、この処方が自分の状態に近いか考えやすくなります。

🌱 この処方の特徴

一般用漢方製剤の承認基準では、「体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞ おちのつかえ、便秘傾向などのあるものの次の諸症: 高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不 安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症) 《備考》 血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性 のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精 神神経症状および身体症状のことである。」が効能・効果として示されています。

🧩 方剤構成からみた特徴

三黄瀉心湯は、大黄、黄芩、黄連の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、大黄(瀉下・利胆などを目的に用いられる)、黄芩(清熱・消炎・止血などを目的に用いられる)、黄連(清熱・消炎・健胃を目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

『金匱要略』に収載・由来する処方として位置づけられる。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025の表では、「三黄瀉心湯」を処方名として扱った記載を確認できませんでした。これは有効性が否定されたことを意味するものではありません。研究や診療ガイドラインの対象となる病態、証、研究方法によって得られる情報は異なるため、特定の症状に対するエビデンスを確認する場合は、該当する診療ガイドラインや学術論文を個別に確認することが大切です。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

この処方を使うときは、まず添付文書の用法・用量と使用上の注意を確認してください。特に、次のようなポイントは知っておくと安心です。

【大黄を含む処方】
大黄は便通を促す目的で使われますが、長く使い続ける場合には注意が必要です。大黄などの刺激性下剤を長期に使用すると、大腸メラノーシス(大腸の粘膜が黒っぽく見える状態)がみられることがあります。また、下痢や腹痛が強く出ることがあるため、ほかの下剤と重ねて使う場合にも注意しましょう。便秘が続く場合は、自己判断で漫然と使い続けず相談することが大切です。

【黄芩を含む処方】
黄芩を含む漢方薬では、まれに間質性肺炎や肝機能障害などの重い副作用が報告されています。服用中に、発熱、空せき、息苦しさなどが現れた場合や、強いだるさ、黄疸、褐色尿などが気になる場合は、服用を中止して早めに医療機関へ相談しましょう。

また、他の漢方薬や生薬を一緒に使っている場合は、同じ生薬が重なっていないか確認しましょう。治療中の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、自己判断で使い続けず、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。症状が続く場合や、いつもと違う症状が現れた場合も相談しましょう。

主な注意ポイント:黄芩 / 大黄

こんな症状に適しています

のぼせ/顔のほてり/便秘/イライラ・不安

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

大黄 1-5、黄芩 1-4、黄連 1-4

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞ おちのつかえ、便秘傾向などのあるものの次の諸症: 高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不 安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症)
《備考》 血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性 のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精 神神経症状および身体症状のことである。

色・におい・味

色
黄褐色
におい
特異なにおい
味
苦い
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。