四物湯 71

四物湯しもつとう【71】

🌿 この漢方を一言で言うと

顔色がすぐれない、疲れやすい、皮膚が乾燥しやすいなど、血が不足しているような状態に適した漢方です。

🧭 推奨される証

太陰病期の虚証(血虚)

📖 解説

月経に伴う不調や貧血傾向などが一緒に気になる場合に適しています。
この処方を考える目安として、体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないという体質・状態に、顔色がすぐれない、疲れやすい、皮膚の乾燥、月経に伴う不調などの症状が組み合わさっていることが挙げられます。
漢方では、同じ症状があっても、体力や体質、症状の組み合わせ、経過などによって適する方剤が変わります。そのため、病名や症状名だけで決めるのではなく、その人のからだ全体の状態を合わせて考えることが大切です。
特に「顔色がすぐれない」「疲れやすい」「皮膚の乾燥」「月経に伴う不調」など、いくつかの症状が重なっているかどうかを確認すると、この処方が自分の状態に近いか考えやすくなります。

🌱 この処方の特徴

一般用漢方製剤の承認基準では、「体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障 害のないものの次の諸症: 月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症)、冷え症、しも やけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復 《備考》血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性 のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精 神神経症状および身体症状のことである。」が効能・効果として示されています。

🧩 方剤構成からみた特徴

四物湯は、当帰、芍薬、川芎、地黄の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、当帰(補血・調経などを目的に用いられる)、芍薬(鎮痛・鎮痙などを目的に用いられる)、川芎(活血・調経・鎮痛などを目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

『仙授理傷続断秘方』・『和剤局方』に関連する古典処方として位置づけられる。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025では、「四物湯」を処方名として扱った記載があります。対象として記載されている例には、亜急性単純性痒疹があります。記載の中にはエビデンスの強さ・推奨度が示されているものもあります(例:V: 記述研究 (症 例報告や症例集積 研究による)/C1: 行うことを考 慮してもよいが、 十分な根拠がない (質の劣るIII~ IV, 良質な複数の V, あるいは委員 会が認めるVI))。ただし、推奨やエビデンスの強さは対象となる病態やガイドラインによって異なるため、「KCPGに記載がある」ことだけで、この処方がすべての症状に有効と判断することはできません。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

漢方薬も医薬品です。用法・用量を守り、説明書に記載された使用上の注意を確認して使いましょう。医師の治療を受けている方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談することをおすすめします。症状が続く場合や、服用後に気になる変化が現れた場合は、自己判断で長く使い続けず相談しましょう。

主な注意ポイント:特定生薬の重点注意なし(一般的な使用上の注意を確認)

こんな症状に適しています

顔色がすぐれない/疲れやすい/皮膚の乾燥/月経に伴う不調

出典

資料記載

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

当帰 3-5、芍薬 3-5、川芎 3-5、地黄 3-5

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力虚弱で、冷え症で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障 害のないものの次の諸症: 月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症)、冷え症、しも やけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復
《備考》血の道症とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性 のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精 神神経症状および身体症状のことである。

色・におい・味

色
灰褐色
におい
特異なにおい
味
わずかに甘味を帯びて特異である
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。