柴胡清肝湯 80

柴胡清肝湯さいこせいかんとう【80】

🌿 この漢方を一言で言うと

体がほてりやすく、のどや皮膚の炎症などが起こりやすいときに適した漢方です。

🧭 推奨される証

少陽病期の実証

📖 解説

熱感を伴う複数の炎症症状が気になる場合に適しています。
この処方を考える目安として、体力中等度で、疳の強い傾向(神経過敏)にあるという体質・状態に、皮膚の炎症、のどの炎症、ほてり、熱感などの症状が組み合わさっていることが挙げられます。
漢方では、同じ症状があっても、体力や体質、症状の組み合わせ、経過などによって適する方剤が変わります。そのため、病名や症状名だけで決めるのではなく、その人のからだ全体の状態を合わせて考えることが大切です。
特に「皮膚の炎症」「のどの炎症」「ほてり」「熱感」など、いくつかの症状が重なっているかどうかを確認すると、この処方が自分の状態に近いか考えやすくなります。

🌱 この処方の特徴

体がほてりやすく、のどや皮膚の炎症などが起こりやすいときに適した漢方です。 体質や症状の組み合わせを踏まえて、処方全体として考えることが大切です。

🧩 方剤構成からみた特徴

柴胡清肝湯は、当帰、芍薬、川芎、地黄、黄連、黄芩、黄柏、山梔子、連翹、桔梗、牛蒡子、栝楼根、薄荷葉、甘草の生薬から構成されています。主な構成生薬を見ると、当帰(補血・調経などを目的に用いられる)、芍薬(鎮痛・鎮痙などを目的に用いられる)、川芎(活血・調経・鎮痛などを目的に用いられる)など、それぞれ異なる特徴を持つ生薬が組み合わされています。実際の使い分けでは、生薬単独の働きだけでなく、処方全体と体質・症状を合わせて考えることが大切です。

📖 古典での位置づけ

『一貫堂創方』に収載・由来する処方として位置づけられる。

🔎 現代の情報・エビデンス

日本東洋医学会のKCPG 2025では、「柴胡清肝湯」を処方名として扱った記載があります。対象として記載されている例には、湿疹・皮膚炎群、アトピー性皮膚炎、幼・小児期アト ピー性皮膚炎があります。ただし、推奨やエビデンスの強さは対象となる病態やガイドラインによって異なるため、「KCPGに記載がある」ことだけで、この処方がすべての症状に有効と判断することはできません。

⚠️ 使用するときに知っておきたいこと

この処方を使うときは、まず添付文書の用法・用量と使用上の注意を確認してください。特に、次のようなポイントは知っておくと安心です。

【甘草を含む処方】
甘草を含む漢方薬を長く使ったり、甘草を含む漢方薬をいくつも重ねたりすると、低カリウム血症を伴う偽アルドステロン症が起こることがあります。むくみ、血圧の上昇、体重増加、手足のだるさ、筋力低下、足がつるなどの変化があれば、服用を続ける前に医師・薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

【山梔子を含む処方】
山梔子を含む漢方薬を長期間使用すると、まれに腸間膜静脈硬化症(腸管静脈硬化症)が起こることがあります。特に長期使用で知られており、腹痛、下痢、便秘、腹部の張りなどが繰り返す場合は、単なる胃腸の不調と考えて飲み続けず、服用している漢方薬を伝えて医師などに相談しましょう。

【黄芩を含む処方】
黄芩を含む漢方薬では、まれに間質性肺炎や肝機能障害などの重い副作用が報告されています。服用中に、発熱、空せき、息苦しさなどが現れた場合や、強いだるさ、黄疸、褐色尿などが気になる場合は、服用を中止して早めに医療機関へ相談しましょう。

また、他の漢方薬や生薬を一緒に使っている場合は、同じ生薬が重なっていないか確認しましょう。治療中の病気がある方、妊娠中・授乳中の方、高齢の方などは、自己判断で使い続けず、服用前に医師・薬剤師・登録販売者へ相談してください。症状が続く場合や、いつもと違う症状が現れた場合も相談しましょう。

主な注意ポイント:甘草 / 黄芩 / 山梔子

こんな症状に適しています

皮膚の炎症/のどの炎症/ほてり/熱感

成分・分量(一般用漢方製剤承認基準)

湯:柴胡 2、当帰 1.5、芍薬 1.5、川芎 1.5、地黄 1.5、黄連 1.5、 黄芩 1.5、黄柏 1.5、山梔子 1.5、連翹 1.5、桔梗 1.5、牛蒡子 1.5、栝楼根 1.5、薄荷葉 1.5、甘草 1.5 散:柴胡 2、当帰 1.5-2.5、芍薬 1.5-2.5、川芎 1.5-2.5、地黄 1.5-2.5、黄連 1.5、黄芩 1.5、黄柏 1.5、山梔子 1.5、連翹 1.5-2.5、 桔梗 1.5-2.5、牛蒡子 1.5-2.5、栝楼根 1.5-2.5、薄荷葉 1.5-2.5、 甘草 1.5-2.5

効能・効果(一般用漢方製剤承認基準)

体力中等度で、疳の強い傾向(神経過敏)にあるものの次の諸 症: 神経症、慢性扁桃炎、湿疹・皮膚炎、虚弱児の体質改善

色・におい・味

色
黄褐色
におい
特異なにおい
味
えぐ味を帯びて特異である
📚 参考資料

本ページの解説は、公開されている学会・公的機関等の情報を参考に整理しています。医薬品の使用にあたっては、最新の添付文書等もご確認ください。